皆さんこんにちは!今日のMENUです。
(´・ω・`)ノシ
今日は、【三不粘(サン・プー・チャン)】というスイーツで、中国語で「箸にも皿にも歯にも絶対にくっつかない。」と言った意味を持つ幻のチャイニーズスイーツを作ります
このスイーツが「幻」と云われる所以は、手順こそ極めて単純ですが、単純だけども練り加減の見極めが難し過ぎて
本場でもまともに作れるコックが数える程しかいないらしく、日本でも本物のサンプーチャンを作れる人は僅か数人に限られてるそうです。
このサンプーチャンというスイーツ、決して焦がさず、餅のように伸びて柔らかく、スベスベでツヤツヤ光沢感があり、まんまるで眩く輝く黄金色にならなければダメで、尚且つ
出来上がりの本体がまるでフッ素樹脂加工を施されたかのように粘着性がなくてこびりつかず、あらゆるものを弾き返す状態に仕上がってないといけないわけで、僅かでも本体の「粘り気」が何かに付着してしまったら外見上はそれっぽく仕上がっていても、それは失敗作になるそうです。
工程だけみれば一見して簡単なためか、ネット上では様々な方が作ってアップしていますが、上記の条件に照らし合わせれば
本物は僅かで、大半が見てくれだけの中途半端で不完全な代物だと思われます。
同じレシピでスタートしても、作る人の僅かな匙加減が成否を決する。
そのためにその道のプロとは言えどもパーフェクトにできる人が世界中でほんのひと握りしか存在しないんです。
そんなラスボスのようなスイーツですが、数々の修羅場(?)をくぐり抜けてきたシンプルな高難易度料理上等!な当ブログが持てる知識とテクニックを動員して手加減なしの全力で挑みます。
(´・ω・`)ノシ
さて、サンプーチャンですが、成功するかどうかは、火加減と、絶妙な力加減(叩き加減)と、見極めが鍵でしょうね。
本日はフライパンが必要ですが、サンプーチャンは北京が発祥とのことですので、使うフライパンは取っ手が付いてる左の北京鍋(日本製)を使います。
ちなみに右の両耳が付いてるフライパンは広東鍋(日本製)です。
まぁ、どちらを使ってもいいのですが、やり易い方を使うといいですね。
この手のフライパンはプロ向けで、両方ともフッ素加工フライパンではなく、鉄製フライパン(鉄鍋)ですので非常に扱いが難しいです。
その理由は後述します。
それでは始めます。
このボウルの中には、前日から混ぜて仕込んでおいた常温の水、上白糖、馬鈴薯デンプン(片栗粉)が入ってます。
粉類の粒子を水と完全に同化させるために当日ではなく、前日から仕込みました。
次に卵黄(新鮮なもの)ですが、これも常温のものを使用します。
この卵黄をできるだけ目の細かな網の上でゴムベラを使い潰して網を通し、先程のボウルに漉し入れて材料と混ぜます。
この中に風味付けとしてバニラオイル(ないなら省いてもよい)を2~3滴垂らして更に混ぜます。
別のボウルに溶かしバターとキャノラー油を足した《フュージョンオイル》を用意しておく。
フュージョンオイルの名称は、ついさっき私が思い付きで名付けました(笑)。
本場ではラードを使いますが、後味が重くなるので今回は使いません。
さて、作業に入る前に鉄鍋を熱し、空焼きして白煙がモクモクと立ちのぼり視界を遮るほどよく焼きます。
鉄鍋は、フッ素加工フライパンとは違い、最初にしっかりと焼いておかないと材料が鍋肌にこびりつきます。
鉄鍋を煙が出るほど加熱したら、油ポットからお玉で直かにすくってたっぷりの油(キャノラー油)をザバッ!と豪快に流し入れて鍋全体に油の膜を張るように広げたら一度、油ポットに戻し
再び加熱し、再度、煙が出たら油をザバッ!と流して同様に鍋全体に広げて油ポットに戻すを3~5回繰り返して鉄鍋全体に油の膜を張ると、フッ素加工フライパンのように材料が鍋肌にこびりつかなくなります。
この工程は「油ならし」と呼ばれるものです。
そして今回は、中華料理専用の頑丈な鉄製お玉も同じように焼いて(こちらは1回だけ焼く。)、お玉の粗熱が取れたらお玉の外側のみ油をコーティングしておきます。
(※お玉を焼くのはサンプーチャンの時だけです。他の料理の場合には必要なし。)
お玉の外側部分で突くため、こちらも卵液がくっつかないようにとの処置です。
但し【※どこの家庭にもあるであろうステンレス製の味噌汁用のお玉は専用では無いために、軽すぎる上に柔らかすぎて力を加えると簡単に柄が曲がったり、ひしゃげたりと軟弱なので避けましょう(笑)。
そしてステンレスお玉は焼かないように!。】
さて、ここで一旦、火を消して自然に鉄鍋の温度を溶かしバターが焦げない温度にまで下げます(割りとすぐに下がる)。
フライパンがある程度冷めたところで残ってる余分な油をキッチンペーパーで拭き取るようにして鍋の内側全体に薄く塗り広げます。
まぁ、適当でいいです(笑)。
再び弱火を着火して、フライパンの中に卵液を流し入れますが、沈殿した片栗粉をしっかりと混ぜてから鍋肌から投入します。
入れた後は常に火力を極弱火に保ちます。
耐熱ヘラを使って、卵液の周囲の固まりを鍋肌から軽くこそげながら絶対に焦がさないようにモロモロとさせる。
ジリジリ加熱を続けて次第に卵液がまとまり固まり出したら、用意しておいた中華料理専用の頑丈なお玉に変えて、お玉の外側を使い最初はゆっくりと優しく突きます。
※(これから杵つき餅の要領で突きますが、お玉を鍋に打ち付けるとカン!カン!ガン!ガン!ガガガガガン…と鉄鍋を叩くけたたましくも甲高い音が鳴り響くので、家庭のキッチンで作業の場合は近所迷惑を避けるために夜間は中止して昼間がいいです(笑)。
(^^;)めちゃうるせえからな。)
徐々に力を加えて、お玉を逆さ垂直に持ち鉄製お玉の重量も活かしながら、鍋を振りつつキツツキの如く超高速で力強く突き、時には力を緩めながらの緩急をつけて鍋振り&突きを交互に続けます。
作業中、時折タイミングをみて数回《フュージョンオイル》の入ったボウルにお玉を直に浸けて、お玉から垂れて滴る油を、鍋の中の卵液の周辺に素早く「ツーッ」と垂らします。
但し、出来上がった時に油でギトギトになってはいけません。
このオイルを塊に混ぜ込んで馴染ませるようにして鍋振り&突きを一心不乱に続けます。
そのままノンストップで突き続けてると、やがて光沢がでてモッチリ滑らかになり、鉄鍋にも、お玉にもくっつかないスライムみたいな繋ぎ目のない物体が出現します。
(だいたい5~8分くらい。調理条件にもよるので目視で変化を確認する。)
この状態になれば完成の合図で、仕上げに鉄鍋の中でクルクル回して滑らしたり、振った反動を生かして空中一回転で裏返したりしつつ形を丸く整えてそのまま鍋から横に滑らせて皿に移します。
【三不粘(サン・プー・チャン】 |
あとは、ちゃちゃっと盛り付け完成!
\(^o^)/
うーん…ビューティフル
表面はスベスベツヤツヤで黄金色に光り輝き、指で触ると柔らかな弾力があるお餅のようですが、指にはくっつきません。
横から見ると、パンケーキのように厚みもあります。
【サンプーチャン&ポムスフレ】 |
さて、ここで同じくシンプルだけれど、作成が難しいと言われている幻の料理🇫🇷フランス発祥の【ポムスフレ】に特別出演してもらい夢の共演をさせてみました(笑)。
共に幻といわれるサンプーチャンとポムスフレが、同じ皿に並んだツーショットは壮観です(笑)。
本場では「じゃが芋」を使いますが、今日はスイーツなので今が旬の「薩摩芋」で作りました。(^^)っ🍠
さて最後になりますが、サンプーチャンのスペックを撮った動画を置いておきます。
写真で説明するよりも動画の方が説得力があるので。
動画をご覧いただくと分かりますが、箸で持ち上げるとお餅のように伸びますが、皿にも箸にも微塵もくっ付いてきません。
箸でちぎって持ち上げて離しても箸にはくっつかずに下にまっすぐ落ちます。
食べるとわらび餅のような軽い弾力がありねっとりとしてますが、歯にもくっつきませんでした。
味は卵の濃いカスタード風味のほんのりと甘いお餅のようで、ふんわりとバターの香りも漂うとても美味しいものでした。(〃)´艸`)オイシー♪
それではまた。(´・ω・`)ノシ
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